毎年2億円以上の市予算投入つづく「長良川鵜飼」
昨年(2018年)の乗船客数は、7万6330人。
市に記録が残る中では初めての10万人割れとなったそうです。
客数減少の主因は、天候不順などによる観覧船運休(42日)で、運休による乗船キャンセル数は3万5576人との事。乗船実数と合わせれば単純換算11万1906人になります。新元号となる来期は再び10万人以上に回復する事でしょう。
数値引用元
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http://www.city.gifu.lg.jp/34174.htm
ところで、1300年以上の歴史を誇る「長良川鵜飼」は、観光事業と捉えた場合、長らく赤字が続いています。少なくともここ数年は、鵜飼事業を直営する岐阜市が赤字分として毎年2億円以上を補てんしている(一般会計予算からの繰り入れ)事をご存知でしょうか。
もちろん、このような赤字継続を市が傍観しているわけではありません。
岐阜市が毎年行い、インターネットなどで公開している事業評価では、鵜飼事業を「ぎふ長良川鵜飼は1300年以上の歴史があり、全国でも1~2の規模を誇り、岐阜市の観光の目玉であり岐阜市の宝でもある。鵜飼観光は、岐阜市に与える経済波及効果は多大であり、観光産業の活性化に寄与する。」とし、「岐阜市における重要な観光資源であり、文化的価値も非常に高く、市が関与する妥当性は非常に高いが、慢性的な赤字が続いていることから、その縮減に向けた取り組みが重要である。」などとしており、その文面からは赤字削減策を毎年着実に進めている事がうかがえます。
岐阜市 事業評価
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http://www.city.gifu.lg.jp/6663.htm
赤字大前提でも絶対残すべき「長良川鵜飼」、そのために必要な事は?
そんな中、過去の新聞記事から気になる一文を見つけました。
「市の試算では、黒字化には乗船客数41万人が必要」だというのです。
同じ記事内には、乗船客数は73年の約33万7000人をピークに減少しているともあります。
単純に見れば、これまでの最高乗船客数(34万人弱)をもってしても事業は黒字化しない(41万人に到達しない)事になりますね。
ソース記事
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https://www.yomiuri.co.jp/local/gifu/feature/CO006490/20160420-OYTAT50044.html
赤字がほとんど大前提の「鵜飼事業」。読者のみなさんはどうお考えになるでしょうか。
私は、そもそも、「鵜飼事業」が赤字か黒字かを問題視するべきではないと考えています。
もちろん、赤字額が少しづつでも減っていき、さらには黒字に転じるに越したことはありません。けれども、1300年以上の歴史を持ち、岐阜市民の大半が誇りにしているであろう「長良川鵜飼」を、たった数十年の赤字を理由に途絶えさせてしまう事は早計かつ稚拙にすぎます。
とはいえ、慢性的に2億円以上を予算から支出している「鵜飼事業」ですから、まずは、
①耳障りは良いが達成の難しい「黒字化策」のアピールでなく、赤字継続を前提とした市民理解のための積極的広報
②事業関係者の「赤字でも何とかなるさ」といった、いわゆる「赤字慣れ」の回避策
③観覧客数減少による周辺事業者の「経年疲弊対策」
などを行い、市民の理解を得ていく事が私は必要だと考えます。
その上で、乗船客数増加数を増やす努力を継続していく。
その為に何が必要かは次回以降のブログで考えて行きたいと思います。
(つづく)
2時間あったら 子どもと何をして過ごしますか?
「究極の子育て・教育立市」を目指す岐阜市。
私の家庭の子育ての実体験として、その施策は非常に充実しています。
欲を言えば、岐阜市の各種施設は、中核施設に重点を置きすぎていること。
ファミリーパークや長良公園、児童センターなどなど、どこに行くにも車やバス移動が必要で、「半日がかり」の大仕事になります。
通常、労働や家事に日々追われている私達は、日常の中で2~3時間の空いた時間を作るのが精一杯。
立派な施設でなくても良いから、ちょっと空いた時間に子供と過ごせる近くの公園などがもっと有って良いのではないでしょうか。
そこで少し調べてみました。
岐阜市にある公園緑地数は2017年6月21日現在で383箇所(岐阜市HPから引用、以下同)。
市民1人あたりの面積は8.93平方メートル(平成30年4月1日現在)で、全国平均の10.40平方メートル(平成29年3月31日現在)をかなり下回っています。
全国平均に近づくためには公園を増やす施策もあって良いはず・・・しかし、残念ながら市は少子高齢化と施設の老朽化などを踏まえて「身近な公園の再整備」を進めていますが、新たに公園を新設する様子は予算案からは伺えません。
岐阜市を地域別に見ると、今後も人口増加が予想される地域や、人口減少の度合いがゆっくりとした地域が確実に存在します。そうした地域は少子化している現在でも、幼い子供を持つ家庭の割合が相当に多いはず。
しかし、残念ながらそうした地域に限って、徒歩で行ける小規模公園数が「無い」ケースが少なくありません。
子育てに「やさしい」市であろうとすれば、新規に小規模公園を作る努力がもっとされて良いと私は思います。
ちなみに私の子供が小学校の低学年の時は、近くに適当な公園が無く、園庭開放してくださっていた幼稚園さんのご好意に甘えるしかありませんでした。
「岐阜市人口ビジョン」にみるアンケート予算支出への疑問
岐阜市企画部総合政策課が平成27年にまとめた「岐阜市人口ビジョン」には、いくつかのアンケート結果が掲載されています。
図はその一例で、2014年度中の20・30代の市外転出者(岐阜市外へ転出)に対して約1年後に、岐阜にもう一度住みたいかを聞いた結果です。
50.2%が「もう一度住みたい」と答えた一方、「もう一度住む気はない」が13.7%。
住めば都のことわざどおり、住みなれた町には愛着がわくのが普通です。よほどの事がない限り、転居して1年前後の状況で「もう一度住む気はない(戻りたいとは思わない)」とは答えません。
ですから、どちらかと言えば「思わない」と答えた方の理由が気になります。そうした方たちが、転居先の友人たちに岐阜市の良さを積極的に伝えてくれるとも思えませんし・・・
いずれにしても、この設問を含めて、回答者の属性別集計等の詳細な記載がありませんので、これらの結果だけから何かを読み取ろうとするのは少々危険でしょう。
以下の表は同ビジョンに掲載されている「20代男女」(岐阜市在住かは不明)に聞いたアンケート結果です。
これらの設問についても、現在の職業や既婚と未婚、子供の有無(その人数)によってその答えはかなり変わってくるはずです。
「岐阜市人口ビジョン」は、これを踏まえて策定された「岐阜市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を始め、市議会の議論においても、その数値がたびたび引用されてきています。
それらの議論は、市政(予算支出)にも少なからず影響を与えているはず。
市税を投じて行われているアンケートが十分な分析に耐える内容であるのか、私はこの点が非常に不安です。
少なくとも、さらに詳細な集計結果が公表されるべきでしょう。
避難訓練の避難路は危険!? 大地震時は液状化を想定した各自の避難路設計を
皆さんは、災害時の避難方法などをどのように決めていらっしゃいますか?
我が家では時々、災害時の避難方法が食卓の話題に上ります。
例えば子供が小学校に通っていた頃は
「大きな災害があった際には、自宅か小学校、通学路の途中の何処そこに子供は避難する事。親は必ずそこに迎えに行くから」
と取り決めていました。
子供が中学生を過ぎた今は、これに「中学校」が加わっています。
身体に不自由のない大人は自力で何とか避難できるにしても、子供は成長に従って通う学校などが変わりますし、大人も高齢になるとだんだんと普通の方法での避難が難しくなってきます。
いざという時の避難方法は、身の回りの状況の変化に応じて、適宜見直ししておく事をお勧めします。
家族会議では、岐阜市が配布・公開している「岐阜市総合防災安心読本」を活用しています。
この本は、日常(平時)を含めた基本的な家庭でできる防災対策が書かれている他、地震や洪水などの災害に応じたハザードマップが掲載されているのが特徴で、地域(コミュニティーセンター単位に区分)ごと計10冊に分けられています。
「岐阜市総合防災安心読本」【最新版ハザードマップ】はこちらから
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http://www.city.gifu.lg.jp/26070.htm
例えば、私の住む「南東部」の「液状化危険度」マップは上の図の通りとなっています。
実はこのハザードマップ、ただ見ているだけではあまり役に立ちません。
自分の住んでいる場所の状況を「つぶさ」に把握する事が大事になってきます。
上の図を見てください。
オレンジ色に塗られた部分は「液状化の危険性が高い」とされている地域です。
「A地点」に住んでいる場合、大規模地震によって避難を余儀なくされたにしても、周辺すべてに液状化の危険があり、むやみやたらと避難するのは逆に危険な場合もあるでしょう。
次に、上の図の「B地点」の場合ははどうでしょうか。
「液状化」のみに限れば、東方面への避難は比較的容易である事がうかがえます。
ちなみに、「B地点」の地域の避難訓練に使われている避難経路は上の図のとおり。小学校の通学路と同じ径路が設定されています。
他の災害時はともかく、液状化を発生させるほどの大型地震においては「危険性のある道路をつっきっていく経路」である事がわかりますね。
上の図に示した「迂回径路」が、ハザードマップから想定した場合の「安全がより見込める径路」であるというのが、我が家の家族会議の結論です。
場合によっては、隣の地区の小学校への避難の方が「早く」て「安全」です。
我が家では、こうしてある程度の避難経路が定まったところで、次の点を加味した避難路の選定を行っています。
●停電などによる「信号機」故障等が影響しにくい、道路の安全がより見込める避難経路であるか。
●家屋やブロックの倒壊、窓ガラスの飛散の恐れの少ない避難経路であるか。
●火災に対してより安全の見込める避難経路であるか。
こうしたシミュレーションに加え、やむなく夜間に避難せざるをえない場合を想定して、夜の道を「実際に歩いてみる」事も重要でしょう。街灯などが少なくて真っ暗な道は意外と多く、そもそも地震時には停電などで普段以上に夜の道は真っ暗となりがちです。ですから、危険個所などを事前に把握しておく事が大切です。
自分の住む場所のハザードマップ。ぜひ一度ご確認ください!
最後に、小学校区単位で行われている毎年の避難訓練ですが、ともすればマンネリ気味です。想定災害の種類に応じて訓練する試みが今以上に行われると良いですね。
指定通学路や避難所そのものも、特に地震災害を想定すれば、場合によっては見直す議論ももっとされて良いはずです。
もっと見直されて良い「金華山」の自然
山の大半を照葉樹(ツブラジイ、アラカシ)が覆う金華山。
江戸時代には天領、明治以降は官林・国有林として、手厚く保護されてきました。
その結果、400年以上ほとんど伐採などが行われず。現在は、これ以上、山に生えている木々(樹種)の構成がさほど変化しない貴重な「極相林」となっています。
先日は山火事を想定した大規模な総合訓練も行われました。
照葉樹主体とはいえ、北斜面には樹齢200年を超える自生のヒノキや鵜飼いの篝火の用材とされたアカマツがいまだ残り、東のすそ野には里山跡もあるなど多彩な様相を併せ持ってもいます。
そうした変化に富む金華山を、山全体の自然を楽しむルートを作ってガイドをして行けば、自然を愛でるルートとして他県はもとより多くの外国人が訪れて下さる事が大いに期待できます。
40万都市の中心部にこうした自然林の山がある事自体が、非常に珍しい事な上、名古屋などからのアクセスも非常に便利である事を残念ながら他県の人たちは、あまり知りません。
岐阜市は観光に力を入れ続けており、鵜飼継続や信長などの関連遺構整備に毎年数億円単位の多くの市税を投入してきています。
その事自体は、他県や外国人に岐阜市を知って、訪れてもらうために重要である事はもちろん、岐阜市民が岐阜をもっと愛せる事にもつながりますから私は大賛成です。
これに加えて「金華山」自体の「自然」の魅力をもっと積極的に発信していく事も、私は重要だと考えています。